✿幼児教育講師の記録✿

幼児教育、教育全般について書いています♪

子どもの行動を変えられる方法?

❀子供の行動を変えられないかな❀

泣いたり、怒ったり、友達と喧嘩したり、と子供たちはいつでもエネルギッシュで何が起こるかわからないことが多い日々。

講師をしている時に、周囲のお友達へ暴力をふるってしまう子がいたり、悪口を言い続けてしまう子達に対してどうやってそれらを減らして、子ども同士で協力していけるようにできるのか悩む日々でした。心理学の本でよく書かれている「感情に寄り添いましょう」もなかなか実際の現場で響かず、、もしばしば。

そんな中、「行動」に注目したABA(Applied Behavior Analysis:応用行動分析学)に出会い勉強できる機会がありました。とても効果があったので共有できればと思います。

❀ABAとは??❀

ABAとは行動分析(動物の行動の増減を基本とした学問)を人へ応用し、ネガティブな行動を減らしたり、ポジティブな行動を増やせたりするものです。心理学で言う「感情」でなく、「行動」に焦点を当てた学問になります♪

どうしてこんな行動をするのかな?と考えて、その行動の原因を探って、いろんな手法を駆使して結果を変えていきます。

☆例えば☆

スーパーで子どもとお母さんがいました。子どもはお菓子がほしくて泣いて叫んでいます。

子ども「ママ!チョコレート買って!!!」

お母さん「駄目よ。」

子ども「買ってーーーー!!!」

周囲の人達が子どもを見て話し始める。

お母さん「(周囲の人達もいるし、騒ぐのもやめないし、しょうがない。)いいわよ。今日だけだからね!」

チョコレートを買って子どもに渡すお母さん。

子ども「わーい!やったあ」

出来事(ママはお菓子を買わない)→行動(泣き叫ぶ)→行動の結果(お菓子を買ってくれる)

こうやって子どもは、スーパーで泣いて叫ぶ=ママはお菓子を買ってくれる。と学んでしまいます。今度スーパーへ行くときまたは、ほしいものがあれば泣き叫べばいいとその行動が強化されてしまうのです。

これはネガティブな方向で行動が強くなってしまったパターンですよね。これをABAを使って対応するとどうなるか。何パターンか考えられるのですが今日は1つのパターンを書いてみます♪

☆行動を減らしてみる☆

子ども「ママ!チョコレート買って!!!」

お母さん「駄目よ。」

子ども「買ってーーーー!!!」

周囲の人達が子どもを見て話し始める。

お母さん「(周囲の人達もいるし、騒ぐのもやめないし、しょうがない。)ちょっとこっちへおいで」

人気の少ない場所へやってきた二人。泣き続ける子ども。お母さんは好きなだけ泣かせて何を言っても落ち着くまで待つ。落ち着いてきたら、

お母さん「お買い物続けるよ」

と子どもと一緒に何もなかったように買い物をしに行く。

出来事(ママはお菓子を買わない)→行動(泣き叫ぶ)→行動の結果(お菓子を買ってくれない)

こうやって子どもは、スーパーで泣いて叫ぶ=ママはお菓子を買ってくれない。と学びます。何度か泣くことがあっても買わない事が続くと、泣き叫んでもほしいものは手に入らないので泣き叫ぶという行動が弱くなる、もしくは行動自体がだんだん消えていきます。(専門用語で''消去''といいます)

※この手法はタイムアウトといい、ある程度子どもと信頼関係があること。ABAに熟知した親や先生等で使われる手法です。次回の記事では望ましい行動を増やす手法を書きたいと思います。

 

このように、ABAは行動の結果を変えることを目的とした手法を取ります♪

教室内で色んなことが起きる中、ABAを使いながらポジティブな行動を増やすことが以前より出来る様になりました♪

今回はとても簡単にまとめたのですが、ABAは発達障がいや自閉症スペクトラムを持つ子ども達等にも効果的と言われています。とても魅力的で効果的な方法がたくさんあるので、また次回に書いていきたいと思います♪

❀まとめ❀

ABAは出来事→行動→結果の行動に注目してポジティブな行動を増やしたり、ネガティブな行動を減らしたりできる学問。

 

❀参考文献❀

『イラストでわかるABA実践マニュアル発達障害の子のやる気を引き出す行動療法』NPO法人つみきの会

実際の生活ができるようどのように発達障がいを持った子供達へ使っていくか、具体的な事例が62個載っています。

『メリットの法則 行動分析学・実践編』奥田健次

『拝啓、アスペルガー先生』奥田健次

実体験に基づいた文章と巧みなABAの使い方が載っています。読みやすく、ユーモラスな奥田先生の文章にクスッと笑ってしまうこともありました。

『読んで学べるADHDのペアレントレーニング むずかしい子にやさしい子育て』

シンシア・ウィッタム

ABAの明記はないのですが、似通う部分も多く、文章も例題もとても分かりやすいです。

行動分析学入門』杉山 尚子

『はじめての応用行動分析 日本語版』ポール.A.アルバート

上記二つは厚みのある本ですが、事例がたくさん載っていて勉強になります。